フィットネスコラム

からだの中からフィットネス

河村 玲子

パーソナルダイエティシャントレーナー。 「からだ作りを、管理栄養士として食事の面からも、トレーナー(NESTA-PFT 保有)として運動の面からもサポートする」をコンセプトに活動中。メディアへの執筆やセミナー講師、栄養カウンセリング、トレーニング指導などを行っている。 JAFA機関誌『ヘルスネットワーク』で、2014年10月号より半年にわたり「フィットネス指導者のためのセルフケア~栄養・食事編~」を連載。

カフェインと運動

更新日:2015年 04月 21日
by からだの中からフィットネス

日本のフィットネスシーンにおいて、「カフェイン」はそれほどメジャーなサプリメントではありませんが、運動時のある効果についてエビデンスが蓄積されている、数少ないサプリメントのひとつです。

 

■カフェインは運動のパフォーマンスを高める

カフェインは、運動のパフォーマンスを高める作用があります。これは持久力と敏捷性を向上させる働きによります。特に、30分以から2時間持続する運動でその作用が期待できます

 

■カフェインが持久力を高めるメカニズムは3つ

<1>
カフェイン摂取により、運動のエネルギーの材料として脂質の動因が増えます。これによって体に蓄えているエネルギー源「糖」の消費を防ぐことができます。
<2>
脳に直接作用したり、アドレナリンの量を増やしたりすることで興奮状態を作り疲労を感じなくさせます。また、神経伝達をスムーズにし、敏捷性を向上させます。
<3>
血中のイオンバランスに作用し、筋収縮を円滑にし、筋肉の機能を上げます。

以前は<1>の説が有力とされていましたが、近年は<2><3>の説、または複合的な作用によるのではないかとされています。

 

■お勧めのカフェイン摂取方法

摂取してから血中のカフェインがピークになるまでは、45~60分かかります。ですから、運動の1時間ほど前に、150mg(体重1kgあたり2~5mg)程度のカフェインを摂取するとよいでしょう。なお、コーヒーにもカフェインは含まれますが、コーヒー中のカフェインが、サプリメントとして単体で摂取したそれと同じ働きがあるかは、まだ明らかではありません。コーヒーに含まれるその他の物質が、カフェインの働きを妨げるかもしれないとの研究結果が多数あります。

 

■カフェインと脱水

カフェインと聞くと、利尿作用があるので運動には向かないということもありますが、実際はどうでしょうか? 確かにカフェインには利尿作用がありますが、運動時にはカテコールアミンという利尿を抑制する働きのあるホルモンが出ます。これにより、カフェインの利尿作用は相殺されるので、運動時に限っては過度に心配する必要はありません。

なお、カフェインには中毒性がありますから、摂り過ぎにはご注意ください。

※ACSM(アメリカスポーツ医学会)ガイドラインより

 

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コーヒー中のカフェインが、サプリメントとして単体で摂取したそれと同じ働きがあるかは、まだ明らかではありません。

旬の春野菜で美しく

更新日:2015年 04月 06日
by からだの中からフィットネス

寒い冬も終わり、春本番! スーパーでは筍やたらの芽、セロリに春キャベツと、春野菜が並んでいますね。今回は旬の春野菜と体の関係についてご紹介します。

 

■春の体はデトックスモード

春は、私たちの体にとって不要なものを排泄する「解毒」の季節と、中医学では考えられています。というのも、冬は寒さを乗り切るために、脂肪やその他の栄養素を蓄える季節。そのため排泄が滞り、不要なものまで溜め込んでしまいがちです。

反対に暖かくなる春は、体が目覚めて新陳代謝が活発になる季節。冬の間に溜め込んだ不要なものの排泄が進みます。

 

■春野菜の苦味でデトックス

春は苦味を盛れ」と言う言葉が和食の世界にあるように、春野菜の特徴の一つは「苦味」です。この苦味の正体のひとつは「植物性アルカロイド」と呼ばれる物質で、腎臓の機能を促進して老廃物を体外に排出するのを助けたり、肝臓の機能を高めて解毒作用や代謝機能を高めたりすると言われています。

春野菜は、春の体の変化にぴったりの食材と言えますね。ただし、植物性アルカロイドを多量に摂取するとお腹を壊すことがあるので、アク抜きなどの適切な下処理は行いましょう。

 

■春野菜は美容成分も豊富

春野菜の中でも、特に色の濃い野菜「菜の花」「アスパラ」「せり」等は、ポリフェノールやカロテンを豊富に含みます。これらには強い抗酸化作用が有り、活性酸素を退治して老化を抑制する働きがあります。

老化の元凶とも言われる紫外線が強くなるこの時期、肌のために積極的に摂りたい成分です。

 

春に限らず、旬の食材は手頃な価格で美味しいことに加え、その季節に体が必要とする成分が豊富です。また、ビタミンCやカロテンなど一部の栄養素の含有量は、旬でないときの倍以上になるなど、良いことばかりです。

一年を通して色々な野菜が手に入る時代ではありますが、できるだけ旬の野菜を取り入れて、体の内側から健康にしましょう。

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菜の花など色の濃い野菜は、ポリフェノールやカロテンを豊富に含みます。

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