フィットネスコラム

乳酸は疲れのもとではない~「乳酸=疲労物質」は過去のハナシ~

更新日:2019年 04月 08日
by からだの中からフィットネス2 ~生涯現役を目指すからだ作りのための栄養トピックス~

■「乳酸=疲労物質」は過去の定説

筋トレやハイインパクト系のレッスン後、筋肉が張って思うように動かない、いわゆる「だるい」感覚になることがあります。そんなとき、よく「乳酸が溜まった」という言葉を耳にしますが、本当でしょうか。

「だるい」状態のとき、筋肉に乳酸が溜まっていることは事実です。しかし、その乳酸が疲労の原因かと聞かれれば「NO」です。「乳酸は無酸素状態になると作られる不要な物質で、溜まると筋肉が酸性になることで、筋肉が動きづらくなったり、疲れたりする原因になる」と考えられていたのは1900年代のこと。現在は、その説を覆す報告が多数あり「乳酸は疲労物質ではない」という考えが定着しています。

 

■乳酸はどうしてできるの?

運動のメインエネルギー源は糖質です。その糖質からエネルギーを作り出すには、大きく分けて「解糖系」「酸化系」の2つの経路をたどります(表 ※機関誌へ掲載)。

エアロビクスや軽いジョギングなどの有酸素運動を行った場合、初期は解糖系でできたピルビン酸が酸化系に進み、水と二酸化炭素に分解されてエネルギーが作られます。しかし、運動の持続時間が長くなり、心肺機能や体力が限界に近づいてくると、エネルギーを作り出すために、からだは糖を猛スピードでエネルギーに変えようとします。

酸化系は精密にコントロールされているため、代謝のスピードが猛烈に速くなることはありません。一方、解糖系は単純な糖の分解経路なため、スピードを上げてどんどん糖エネルギーを作ろうとします

そうすると、解糖系で作られたピルビン酸は次へと続く酸化系へと入っていくことができなくなり、あふれてしまいます。行き場のなくなったピルビン酸は不安定なため、安定型の「乳酸」へ一時的に姿を変えます。このようにして乳酸ができるのです。なお、乳酸は時間が経過すると再度ピルビン酸へと戻り、酸化系で代謝されます。

 

……続きはJAFA機関誌『ヘルスネットワーク』で。

■乳酸が疲労物質ではないといえるさまざまな現象
■疲労の正体
乳酸の効果~運動時につくられるのはなぜ?~
■疲労回復に効果的な栄養素

 

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【今月のレシピ】
運動後の疲労回復にお薦め!
「鶏むね肉の南蛮漬け」

鶏むね南蛮づけ1.jpg

レシピはJAFA機関誌『ヘルスネットワーク』へ掲載しています。

からだの中からフィットネス2 ~生涯現役を目指すからだ作りのための栄養トピックス~

河村 玲子

パーソナルダイエティシャントレーナー(管理栄養士×トレーナー)、ボディーメイクや健康サポートを行う管理栄養士×パーソナルトレーナー。 脱サラ後、北米に渡りダイエットビジネスの視察、トレーナー活動をした後、帰国して日本にて活動を始める。現在トレーナーとしては、ティップネス蒲田・渋谷・日本橋にてトレーニング指導、管理栄養士としては『Tarzan』や『anan』のレシピ作成や監修、アスリートの栄養指導など、運動、栄養両面のプロフェッショナルとして幅広く活躍している。(株)SAWAKI GYM 栄養アドバイザー。ティップネスアスリート支援事業 管理栄養士。(株)HandY スポーツセクション 管理栄養士。2018年5月タツミムック刊『やせ習慣が身につく ラクうま鶏ささみ料理』を監修。共著に新星出版刊『ちゃんとキレイなカラダをつくる!女子の筋トレ&筋肉ご飯』。

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