更新日:2015年 09月 24日
by からだの中からフィットネス
「アンチエイジング」。フィットネス愛好家の皆さんなら、おそらく誰もが興味のあるキーワードでしょう。エイジング(老化)は、糖化や遺伝子の異常などさまざまな要因が重なって進みますが、ここ数年注目を浴びているのが「活性酸素」です。今回は活性酸素と、期待の抗酸化成分「水素」について執筆します。
■活性酸素は「老化」の一因?
私たち人間は、栄養素からエネルギーを取り出す過程で酸素を使います。一部の酸素は、その過程で「活性酸素」と呼ばれる物質に変化します。一口に活性酸素といっても、大きく4種類あります。これらは通常の状態でもいくらかは発生するため、体にはそれを除去するシステムが備わっています。
その能力を超えるほどの活性酸素が発生した場合に、脂質やたんぱく質、核酸(DNA)が攻撃を受け、細胞や遺伝子が傷つくことが「老化」の一因になります。しかし、活性酸素の中には、ウィルスや細菌などを攻撃して体を守ったり、細胞の分化を調節したり、体にとって必要な役割も果たすものもあります。
■運動で活性酸素が多く発生する?
運動をすると酸素をたくさん取り込む分、確かに活性酸素は安静時よりもたくさん発生します。しかし、運動により活性酸素を除去する機能が高まるため、運動が老化を促進する可能性は低いでしょう。それよりも、紫外線や肥満、タバコ、日常のストレスなどが加わることによって起こる、活性酸素の増加こそが問題です。
■新たな抗酸化物質「水素」の可能性
歳を重ねるにつれて老化が進むことは当然とはいえ、できることなら若々しく、健康に過ごしたいものです。酸化を抑える代表的な栄養素には、ビタミンA・C・E、ポリフェノール類などがあります。
そして、近年注目が集まっているのは何と言っても「水素」でしょう。水素は、酸素と反応し水を作ることができます。この機能を利用して、活性酸素を無害な水にして除去するという理屈が水素に期待される効果です。ただし、現段階では口から摂取した水素が体内で活性酸素をどの程度除去し、どのようにどこで機能するのか、もし機能するとすればどのくらいの量を摂取すればよいのかなどについては、解明されていません。したがって、水素がアンチエイジングや、病気の予防や健康維持に効果があるかないかを現段階で結論づけることは誰にもできません。
水素は分子が大変小さく、油にも水にも溶けるため、薬が届きにくい体の部位にまで届く可能性があります。そのため、水素は病気の予防や治療の手段として活用できるのではないかと、医学界でも研究が進められています。発表されている論文の中には、糖尿病の病態改善、二日酔いの抑制、アンチエイジングに効果があったというものもあります。
水素に何らかの効果が本当にあるのか、もしあるとすればどのようなもので、どのように摂取すればよいのか、今後の研究が待たれます。
水素は非常に小さい分子のため、ペットボトルをすり抜けます。水素水を飲む場合はアルミの容器で保管すると同時に、早めに飲みきりましょう。
※水素水に何かの効果があるかは、現段階では不明です。
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連載「からだの中からフィットネス」は、本回で最終回です。次回シリーズもご期待ください。
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