更新日:2015年 08月 06日
by からだの中からフィットネス
白米よりも玄米、食パンより全粒粉のパンというように、精製されていない糖質(茶色い食べ物)は太りにくいと言われます。その主な理由として、GI(グリセミックインデックス)が低いことが挙げられます。今回はGIの観点から“茶色い糖質”に迫ります。
■血糖値とインスリン
食べ物に含まれる糖質のほとんどは、消化されてブドウ糖になった後、腸から吸収されて血液に取り込まれます。血液100mlのなかに入っているブドウ糖の量を「血糖値」と言いますが、血糖値は通常ある一定のレベルに保たれるようコントロールされています。
食後には、食事由来の糖が増えるために血糖値は高くなります。血糖値が上がると、その上昇の度合いに応じた量の「インスリン」というホルモンが分泌されます。インスリンは筋肉や脂肪、内臓などの組織に糖を運び入れるトラックのような役割をして、血糖値を再び元のレベルまで下げます。
■インスリンは肥満ホルモン?
インスリンは、時に「肥満ホルモン」と呼ばれ、ダイエットの敵のように扱われます。この背景には、インスリンの脂肪組織で脂肪酸の合成を促す働きが、過剰に考えられているからです。
インスリンには、筋肉ではたんぱく質の合成を促し、各組織ではエネルギーの代謝を促進する働きもありますから、インスリンが肥満ホルモンであるならば、筋肉合成ホルモン、代謝促進ホルモンでもあります。
■GI(グリセミックインデックス)とダイエット
ある食べ物が、どれだけ血糖値を上げるかをあらわす指標がGIです。消化に時間がかからず、糖がスムーズに吸収される食品は、血糖値が急激に上昇するためGI値の高い食品といえます。
つまり
GIが高い食品を摂る
→急激に上昇した血糖値を下げるために多くのインスリンが分泌されて、脂肪の合成が高まる。
GIが低い食品を摂る
→食べ物は徐々に血液中に取り込まれるため、血糖値が高い状態が続き、空腹感を感じにくくなる。
となります。
以上の理由から、GIの低い茶色い糖質はインスリンの過剰な分泌を防ぎ、空腹になりにくいので太りにくいとされるようですが、低GI食品の体重減少に対する効果は、いまのところ明らかになっていません。茶色い糖質を太らないと思い込んで、食べすぎれば太る原因になります
ただし、茶色い糖質は胚芽と呼ばれる部分を含み、食物繊維や各種ビタミンミネラル、フィトケミカルなど好ましい成分を多く含みます。それ自体にやせる効果は期待できずなくても、かむ回数が増えることで満腹になりやすかったり、栄養バランスが整うことで、嬉しい効果がでるかもしれませんね。
普段の主食の量は変えず、茶色い食品に置き換えるのはおすすめです。
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