フィットネスコラム

糖質制限ダイエットの効果~糖質についての豆知識~

更新日:2015年 07月 23日
by からだの中からフィットネス

近年流行のダイエット法のなかでも人気なのが、炭水化物など糖質の摂取を制限する「糖質制限ダイエット」。もともとは、糖尿病患者への減量治療の選択肢として始まった方法ですが、現在は健康な方でもたくさんの方が実践しています。そもそも糖質とは、体の中ではどのような位置づけで、それを制限することでどのような影響を及ぼすのでしょうか?

 

■糖質は必須の栄養素ではない!?

糖質は、人間が生きていくうえで必ず摂取しなければならない「栄養素」の一つですが、その他の栄養素である脂肪やたんぱく質とは大きく異なる点があります。それは、脂肪には「必須脂肪酸」、たんぱく質には「必須アミノ酸」という、人間が体の中では合成できないため必ず食品から摂取しなくてはいけない成分が含まれるのに対し、糖質にはそのような成分はなく、体の中でほかの栄養素から合成することが可能だということです。では体の中で合成可能であれば、糖質は必要ないのでしょうか?

 

■糖質が不足すると、酸っぱい体臭がすることも…

体の中で合成可能な糖質が「栄養素」であるのは、それなりの理由があります。糖質が不足した状態で脂質やたんぱく質からエネルギーを作り出す過程では、副産物としてケトン体やアンモニアが作られます。これらは時に有毒であり、代謝が追いつかずに一定量を超えて体に溜まってしまうと、体に悪影響が及んだり、酸っぱい体臭がするようになったりすることがあります。これらを無毒化したり代謝するために、臓器には余計な負担がかかります

 

■糖質は脳と赤血球の大切なエネルギー源

脳と赤血球は、原則的には糖質のみをエネルギー源として使用します。しかし糖質が不足すると、脂質やたんぱく質から糖を作ったり、ケトン体を脳のエネルギー源にしたりします。その場合、糖質をそのまま利用する時よりも、余分な過程が必要となります。

 

■上手な糖質制限の方法

糖質は、他の栄養素よりもスムーズかつ迅速にエネルギーになるという特徴があるものの、代替できる栄養素があるため、健康な人が糖質を摂らなかったとしても、すぐに健康を害すことはありません。しかし、10年、20年と長期にわたっても大丈夫かどうかは、今のところ明確になっていません

糖質制限は、1日のエネルギーのうち半分以上を糖質から摂っている日本人にとっては、方法がシンプルで、体重減少効果が得やすいダイエット方法です。そこで、実践のポイントを2点紹介します。

 

<糖質制限ダイエットのポイント>

・食事以外からの糖質(菓子類、清涼飲料水、野菜ジュース、加糖ヨーグルトなど)を優先的に制限する。

・1食あたり、おにぎり1個分(ご飯茶碗半分程度)の主食は摂取する(腹持ちがよく、食べすぎを防ぐ効果もあるため)。

 

なお、糖質制限と脂質制限の減量効果を比較すると、短期的には糖質制限のほうが高いものの、中長期になると差はほとんどないようです。健康に影響のない範囲で、自分にあった方法を選択しましょう。

 

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1食あたり、おにぎり1個分(ご飯茶碗半分程度)の主食を摂取するようにしましょう。

からだの中からフィットネス

河村 玲子

パーソナルダイエティシャントレーナー。 「からだ作りを、管理栄養士として食事の面からも、トレーナー(NESTA-PFT 保有)として運動の面からもサポートする」をコンセプトに活動中。メディアへの執筆やセミナー講師、栄養カウンセリング、トレーニング指導などを行っている。 JAFA機関誌『ヘルスネットワーク』で、2014年10月号より半年にわたり「フィットネス指導者のためのセルフケア~栄養・食事編~」を連載。

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