更新日:2015年 06月 23日
by からだの中からフィットネス
最近、「食後の中性脂肪の吸収を穏やかにする」「食後の血糖値の上昇を抑える」などの表示がある特定保健用食品(以下トクホ)が続々と発売されています。トクホは、国が個別に「特定の効果がある」と認めた食品ですから、目的に応じて正しく使うことで、その効果を期待できます。
今回はその中でも人気の、脂肪や血糖値に作用する「難消化性デキストリン」について解説します。
■糖や中性脂肪の吸収を穏やかにする
コーラやお茶などに使用される、糖や中性脂肪の吸収を穏やかにする成分は「難消化性デキストリン」です。これは食物繊維の一種で、とうもろこしやじゃがいもなどのでんぷんを加工して作られます。古くから食品添加物としても使用されている安全性の高い成分です。
難消化性デキストリンは、食物繊維の中でも水に溶ける性質を持つ水溶性の食物繊維です。一般に水溶性食物繊維は、食品や飲料の水分に粘性をつけてドロドロにすることで、胃での滞留時間を長くしたり、小腸で糖や脂肪が素早く吸収されるのを防いだりします。つまり、難消化性デキストリンは小腸から糖が吸収される際に、消化吸収の過程を邪魔したり、脂肪が分解されてできた脂肪酸を直接小腸に触れにくくしたりすることで、吸収を穏やかにする作用があるとされます。
■生活習慣を見直したうえで、食事と一緒に摂取
「血糖値や中性脂肪値が上昇しにくい」と聞くと、つい「糖や脂肪が吸収されない」と勘違いしがちです。ですが、食後の中性脂肪や血糖値の上昇が抑制されるのは、糖や脂質の吸収スピードが穏やかになるということが主な理由で、時間はかかっても大部分は吸収されます。実際はわずかながら吸収を抑える作用もあるようですが、これに関して過度な期待はできません。
トクホは個別に認可を受けている食品ですから、認可のない他のサプリメントと比較すれば安心して使用できるでしょう。しかし、あくまでも生活習慣を改めた上で適切に使用することが効果を出すための前提条件です。これを飲めば大丈夫!というような考えはせず、生活習慣も一緒に見直しましょう。なお、難消化性デキストリン商品は、食事と一緒に摂取することで初めてその効果を発揮します。
トクホの効果を出すには、同時に生活習慣の改善も必要です。
©2014 Japan Fitness Association.