フィットネスコラム

カフェインと運動

更新日:2015年 04月 21日
by からだの中からフィットネス

日本のフィットネスシーンにおいて、「カフェイン」はそれほどメジャーなサプリメントではありませんが、運動時のある効果についてエビデンスが蓄積されている、数少ないサプリメントのひとつです。

 

■カフェインは運動のパフォーマンスを高める

カフェインは、運動のパフォーマンスを高める作用があります。これは持久力と敏捷性を向上させる働きによります。特に、30分以から2時間持続する運動でその作用が期待できます

 

■カフェインが持久力を高めるメカニズムは3つ

<1>
カフェイン摂取により、運動のエネルギーの材料として脂質の動因が増えます。これによって体に蓄えているエネルギー源「糖」の消費を防ぐことができます。
<2>
脳に直接作用したり、アドレナリンの量を増やしたりすることで興奮状態を作り疲労を感じなくさせます。また、神経伝達をスムーズにし、敏捷性を向上させます。
<3>
血中のイオンバランスに作用し、筋収縮を円滑にし、筋肉の機能を上げます。

以前は<1>の説が有力とされていましたが、近年は<2><3>の説、または複合的な作用によるのではないかとされています。

 

■お勧めのカフェイン摂取方法

摂取してから血中のカフェインがピークになるまでは、45~60分かかります。ですから、運動の1時間ほど前に、150mg(体重1kgあたり2~5mg)程度のカフェインを摂取するとよいでしょう。なお、コーヒーにもカフェインは含まれますが、コーヒー中のカフェインが、サプリメントとして単体で摂取したそれと同じ働きがあるかは、まだ明らかではありません。コーヒーに含まれるその他の物質が、カフェインの働きを妨げるかもしれないとの研究結果が多数あります。

 

■カフェインと脱水

カフェインと聞くと、利尿作用があるので運動には向かないということもありますが、実際はどうでしょうか? 確かにカフェインには利尿作用がありますが、運動時にはカテコールアミンという利尿を抑制する働きのあるホルモンが出ます。これにより、カフェインの利尿作用は相殺されるので、運動時に限っては過度に心配する必要はありません。

なお、カフェインには中毒性がありますから、摂り過ぎにはご注意ください。

※ACSM(アメリカスポーツ医学会)ガイドラインより

 

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コーヒー中のカフェインが、サプリメントとして単体で摂取したそれと同じ働きがあるかは、まだ明らかではありません。

からだの中からフィットネス

河村 玲子

パーソナルダイエティシャントレーナー。 「からだ作りを、管理栄養士として食事の面からも、トレーナー(NESTA-PFT 保有)として運動の面からもサポートする」をコンセプトに活動中。メディアへの執筆やセミナー講師、栄養カウンセリング、トレーニング指導などを行っている。 JAFA機関誌『ヘルスネットワーク』で、2014年10月号より半年にわたり「フィットネス指導者のためのセルフケア~栄養・食事編~」を連載。

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