更新日:2014年 12月 05日
by フィットネスの知っ得情報
エクササイズしなければと思いつつ、それをなかなか実行に移せない人の言い訳ランキング(!?)の、堂々1位に挙げられるものは、やはり「忙しいから…」ではないでしょうか。時間のないことを理由に、なかなか実行に踏み切れない人の多いのが現状です。時間のやりくりや節約によって、何とかエクササイズ時間を捻出しようとしてきた人も多いでしょうが、無理して時間を作ろうとしてもやはり長続きしません。
「エクササイズ」というと、ある程度まとまった時間が必要と考えてはいませんか? 実は、効果を求めるのに、必ずしも長い時間をかける必要はないのです。
そこで…、4分だけ下さい!
実は4分だけあれば、エクササイズの効果の出ることがわかっています。どんなに忙しい人でも、4分ぐらいは何とかなりますよね。
高強度インターバルトレーニング(high-intensity interval training: HITまたはHIIT)と呼ばれるトレーニング方法は、長く続ける有酸素運動と比べて運動時間は少なくなりますが、高強度の負荷で行うことにより、その効果は同等かそれ以上であることがわかっています。
これまでの研究(1)では、被験者に最大有酸素能力(最大酸素摂取量)の170%の強度の自転車運動を20秒間行い、10秒間の休息を挟んで8セット繰り返すこと(4分間)を週に5回、6週間実施させました。その結果、最大酸素摂取量が増大し、これは最大有酸素能力の70%の自転車運動を60分間行ったもの(同じく週5回、6週間)よりも効果が高くなりました。運動時間はわずか4分間ですが、強度が高ければ効果は非常に高いことが示されたのです。
その他HITの効果には、抗酸化能力の向上、脂質代謝の改善、体脂肪率の減少、除脂肪体重の増加、血糖値やコレステロール値の改善などが最近の研究で報告されています(2、3、4、5、6)。
このように、エクササイズの習慣化に「時間不足」や「忙しさ」が障壁となる場合が多いことを考えると、時間の節約になるHITの「時間対効果」は絶大です。また、自重を使ったエクササイズ(もも上げ、「バーピー(※)」、ランジ、スクワットなど)で組み立てればバラエティに富み、レベルに合わせた負荷設定もできるため、工夫次第で安全で楽しいHITプログラムができあがります。ぜひお試しください!
※バーピー:ジャンプと腕立て伏せを組み合わせた簡単なエクササイズで、繰り返し行うことで脂肪燃焼効果が高まる
「HIT」の例(もも上げ)
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<参考文献>
1. Tabataら、1996年
2. GibalaとJones、2013年
3. Slothら、2013年
4. BuchheitとLaursen、2013年
5. Astorinoら、2011年
6. Gillenら、2013年
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