フィットネスコラム

寒い朝の最強コンビ!?

更新日:2014年 11月 21日
by フィットネスの知っ得情報

寒い季節になると、外でエクササイズすることがついおっくうになりがちです。しかし、寒い季節だからこそ張り切ってエクササイズを行えば、とてもよいことがあるのをご存知ですか?

気温の低い環境では、寒さによる体温の低下を防ぐため、反射的にからだを震わせて筋肉で熱を作り出します。この時のエネルギー源に脂肪が多く利用されます。特に気温の低い中でのエクササイズでは、気温が比較的高い中での同じエクササイズと比べると、総エネルギー消費量は変わらないものの、脂肪消費の比率がより多くなります(1。しかも、その傾向は、運動強度の低いウォーキングより強度の高いランニングで顕著です。

最大有酸素能力の50%強度のウォーキング(60分間)と、70%強度のランニング(同)を比較した場合(室温22度)、総エネルギー消費量はランニングのほうが多くなりますが、その差は脂肪からのものではなく、むしろ糖質消費の差になります。ところが、室温0度の寒い環境では、依然ランニングのほうがウォーキングより糖質の消費が大きいものの、その差は小さくなる傾向にあり、逆に脂肪消費の差が大きくなるようです(2。つまり、寒い季節のエクササイズは、運動強度を少し高めで行ったほうが、脂肪消費により有利と考えられます。

 

ところで、コーヒーなどに含まれるカフェインに、エクササイズ中の脂肪消費を高める効果のあることが古くから知られていますが、その効果はやはり寒い環境において高まる傾向にあります(3。したがって、寒い朝のモーニングコーヒーとエクササイズ、できれば少しペースをアップしたジョギングやランニングなどの組み合わせが脂肪燃焼にいっそう効果が高いと言えるかもしれません。

また、体脂肪の多い人のほうが、少ない人に比べて、体温の低下を防ぐためにより多くの脂肪を利用することができます(4。体脂肪の気になる人は、寒い季節こそエクササイズに励みたいところですね。

 

これからの寒い季節も、充実したフィットネスライフをお過ごしください。ただし、エクササイズの前の十分なウォームアップをお忘れなく!

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<参考文献>
1.Gagnonら、2013年
2. Gagnonら、2013年
3.AndersonとHickey、1994年
4.TonerとMcArdle、1988

 

フィットネスの知っ得情報

彦井浩孝

オレゴン州立大学健康人間科学研究科博士課程修了(Ph.D.)、NPO法人チャレンジ・アスリート・ファンデーション理事長、横浜市病院協会看護専門学校講師、Telacoya旅する小学校講師、トライアスロン歴34年。 子どもから大人まで、チャレンジスポーツを通じて、健康的な地域社会の発展に貢献していくことを目的に活動。地元神奈川県葉山町では「HAYAMANトライアスロン」などのチャレンジスポーツイベントを主催し、「葉山海洋スポーツ塾」「葉山ニッパーズ」では地域の子どもたちに運動スポーツ指導を行っている。また、がん啓発やがんサバイバーらのサポートを通じて、がん撲滅のための活動にも力を入れている。トライアスロン歴28年。アイアンマントライアスロン40回完走。2015年アイアンマントライアスロン世界選手権出場予定。

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